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千葉県

新海秀次さん

主要品目
作地面積9a(塩害のあった水田)+2ha

東日本大震災の津波による塩害が深刻化した水田を復活させた「フルボパワー」は、稲の生育にもうれしい効果をもたらしました。2014年に1俵の米しか取れなかった9aの水田に、「フルボパワー」を散布した2015年は青々とした稲が育ちました。「周辺の田んぼと比べて、稲の緑が明らかに濃さを増していました」。耕作指導をしてきたベテラン米農家の新海秀次さんも、塩害を解消したばかりか、健やかな稲を育てる力を持った水田を見て「ただ驚くばかりだった」と、当時を振り返ります。そして2015年秋、“仮死状態”だった水田から7.5俵の米が収穫できたのです。

塩害問題を解消した効果を目の当たりにした新海さんは、自身が50年にわたり手がけてきた約2haの圃場でも「フルボパワー」を試すことにしました。千葉県北総地区に点在する圃場の中でも印旛郡栄町の自宅近くにある水田は、冬季に白鳥が渡ってくることで知られています。「塩害に遭ってしまった蓮沼の田んぼを深水管理にしたのは、九十九里にも白鳥が集まるといいなと思ったことが理由の一つでした」。北総地区の水田は、新海さんが深水管理と不耕起栽培による米作りを確立した圃場。各地から米農家が視察に来る圃場に、新たに高濃度フルボ酸を導入しました。

「自分のところでは、フルボ酸を堆肥に混ぜて完熟堆肥を作りました。混ぜる分量は神経質にならず適当に」。新海さんが作る堆肥は、利根川の河川敷で刈り取られる草を原料とします。「それまでは焼却していた草を譲り受けるようになり、2、3年かけて熟成させてから自田んぼや畑に使っていました」。そこに「フルボパワー」を混ぜてみたところ、完熟堆肥と呼べる状態になるまでの期間が1年に短縮。「半熟だと虫が湧いてしまう」ため、短期間で完熟した堆肥を半信半疑で使ったところ、堆肥としての質が高まっていることを、米の出来で知ることになるのでした。

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新海秀次さん

1942年生まれ。千葉県栄町で稲作を続けて半世紀。その間、除草剤を使わないさまざまな栽培法に取り組み、稲刈り後の水田に水を張ったままにする冬期湛水と深水管理、農地を耕さない不耕起栽培による米作り法を確立。農業行政への発言や農機具メーカーとの連携にも積極的で、米農家の国際競争力の向上にも力を尽くす。