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千葉県

新海秀次さん

主要品目
作地面積9a(塩害のあった水田)

2011年3月11日の東日本大震災は、千葉県の太平洋沿岸にも津波の被害をもたらしました。海岸線から2キロ弱に位置する山武市蓮沼の水田は、津波による直接の被害はまぬがれたものの、すぐ近くまで押し寄せた海水により井戸水の塩分濃度が上がりました。ベテラン農家である新海秀次さんの米栽培の指導を受けていた農家は、津波による塩害に悩まされることに。「もともと塩分が高めだった井戸水による冬季湛水による深水管理が、圃場の塩分濃度を一層高めてしまった。塩害は一度起こると、取り返しが付かないというのが、農家の常識です。事態は深刻でした」。

塩害で稲が育たず、自慢のコシヒカリの収穫が見込めなくなったのは、震災から3年が過ぎた2014年。その対策として、農業界に顔が広い新海さんが伝手を頼って出合ったのが「フルボパワー」でした。翌2015年2月、一旦水を抜いた水田を組合のパイプラインから引いた真水で満たし、そこに「フルボパワー」を10リットルずつ2回に分けて投入。その後、水を掛け流し状態にしたところ、3ヵ月後の5月には、「ほぼ真水」といっていい状態まで水田の水がよみがえりました。フルボ酸が水田に堆積した塩分を“つかみ”、そのままかけ流した水と一緒に排出されたのです。

塩害に悩んだ水田は、震災前の姿を取り戻しました。用水は引き続きパイプラインから引き、収穫量も回復しました。山武市蓮沼の水田ではその後も、「フルボパワー」を使い続けています。それは塩害再発の防止策ではなく、米の作柄を上げるため。その効果も明らかとなってきました。「あれほど早期に塩害を克服できるとは想像していませんでした」と、米栽培を知り尽くした新海さんは驚いています。しかも「塩分を取りのぞいた後の田んぼでは、以前よりもいい米が取れています。そこで、自宅に近い栄町の田んぼや畑でも『フルボパワー』を使うようにしました」。

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新海秀次さん

1942年生まれ。千葉県栄町で稲作を続けて半世紀。その間、除草剤を使わないさまざまな栽培法に取り組み、稲刈り後の水田に水を張ったままにする冬期湛水と深水管理、農地を耕さない不耕起栽培による米作り法を確立。農業行政への発言や農機具メーカーとの連携にも積極的で、米農家の国際競争力の向上にも力を尽くす。